運の良い人とは、生物学的には「生き残ること」
「適者生存」はチャールズ・ダーウィンが進化論を気づき上げる過程に影響を与えたとされる考え方で、「生物は環境にもっとも適した者が生き残る」というもの。
運・不運というのは、だれの身にも起きていて、その運をどう生かすかを少なくとも人は主体的にかかわっていける、というのが中野さんの考え。
ランダムウォークモデル(コインを一万回投げて、プラスとマイナスを測定するもの)によると、ゼロにはならず、プラスのほうに200~300になるか、マイナスのほうに200~300になるか。一万回すべてがプラスになったりマイナスになったりしない。
人の人生も圧倒的にプラスになったり、マイナスになったりすることはない。
運がいいと言われる人たちは、みな、いろんな意味で自分を大事にしています。
常識や世間一般の平気的な考え方に流されることなく自分の価値観を大切にしていて、自分をていねいに扱っています。
また、他者を思いやる気持ちも人一倍もっていて、どんなときも独り勝ちしようとせず、他者のため、そして他者と共存することを目指しています。
総じていうなら、よりよく生きている―
逆にいえば、よりよく生きているからこそ、運も彼らの味方をする。
【運のいい人は世界の中心に自分をすえる】
運のいい人はいまの自分を活かす
脳には人それぞれに特徴があり、それがその人の個性をつくりあげている部分が少なからずある。
「神経伝達物質」
セロトニン=脳の過剰な覚醒や活動を抑える。安心感、安定感、落ち着きをもたらす
ドーパミン=「やる気」のもと。モチベーション
ノンアドレナリン=集中力
上記をコントロールする神経細胞
モノアミン酸化酵素=上記を分解する。人により分解度合いが違う。
分解度合いにより個性が出てくるので、自分の個性を理解する。
「私は先のことをあまり考えないタイプだ。だからあえて一日一回は真剣に考えるようにしよう」
視点を変えて「いまの自分を最大限に生かす」ことを考えてみる。いまの自分を変えようとするのではなく、今の自分を生かすのです。
運のいい人は自分を大切に扱う
自分を粗末にせず、自分を大切に扱う
他人を扱うのと同じように、自分自身を敬う。
ナディーヌ・ロスチャイルド「ロスチャイルド家の上流マナーブック」
著書内*「あなたがまず心を配るべきなのは自分自身です」
自分で自分を好きになれるよう、自分自身に心を配る。自分で自分をかまう。
自分を大切に扱う人は、他人からも大切に扱ってもらえる。
2台の車。一台はピカピカ。もう一台は汚れていて叩かれた跡がある。
「この2台のうち、どちらかを棒でたたいてください」どっちを叩く?
「割れ窓理論」(軽微な犯罪がやがて凶悪犯罪を生み出すという理論)
ゴミが落ちてない道には、ゴミは捨てられない。
他の人から大切に扱われるようにするには、そして、周囲の人と良好な人間関係を築くためには、まずは自分で自分を大切にする必要がある。
運の良い人は自分なりの「しあわせのものさし」をもつ
人により、快適と思う尺度が違う。食事だったりスポーツだったり、カフェで時間を過ごすことだったり。
この時に気を付けるのは、他人の尺度でなく自分の尺度で幸せ感を測ること。
一般的な価値観や他人の意見に惑わされず、自分の価値観で自分なりの幸せを把握することが重要。
他人の尺度ではなく、自分の尺度で行動する。他人がどう思うかではなく、自分が心の底から「心地よい」「気持ち良い」と思える行動をする。
「しあわせのものさし」は人を呼び寄せる力があるから、重要。
人間の脳の中には「快感」を感じる報酬系という回路がある。
快感を生み出すのにかかわる部分。この部分が刺激されると人は快感を感じる。
食欲や性欲など本能的な欲求だけでなく、人助けんだお社会的な行動も含め「自分が気持ち良い行動」をとると活動する部分。
※だから、電車の中で席をゆずると、運がよくなる。
自分が心地よい、気持ち良いと思える状態を積極的に作り出しているので、この報酬系を刺激していることになる。
自分の報酬系を上手に操れる人は、いまある状態にとても満足できる人。
「もっとああしたい」「もっとこうなったらいいのに」という欲を忘れ、「ああ、気分がいいな」「気持ちがいいな」としか感じない瞬間。
心理学でいう自己一致の状態。
自己一致の状態とは、こうなったいい、こうなるべきと考えてる理想の自分と実際の自分が一致しているということ、あるがままの自分を自分で受け入れていること、もっと簡単にいえば、自分で自分のことが好きな状態。
もっとスタイルが良ければよいのに。もっと仕事がうまくいけばよいのに。といった欲をもっていない。私は私のままでいいんだ、と自分で認めている状態。
この自己一致の状態にある人は、人をひきつける力がある
自己一致の状態にある人は、人の話を素直に聞けるという特徴もあります。
話している側の心が多少波だっていても、それを吸収してします余裕がある。
つまり運がいい人というのは、自分なりの「しあわせのものさし」をもっている→そのしあわせの状態を積極的に作り出す努力をしている→自己一致の状態(自分を好きな状態)になる→人に好かれる という図式になる。
運のいい人は常識よりも自分を上に置く
まじめで、人を疑うことを知らなくて、人の話を素直に聞けて、責任感が強い人。
実は、これは運の悪い要素を兼ね備えている。
ブラック企業の社長が社員を募集するとき。
「使い勝手のよい人材」が、上の条件。
まじめということは、ある意味、社会規範に自分をあわせるということ。人を疑わない、人の話を素直に聞けるというのは、ある意味「自分」を持っていないということ。
社会のルールや常識を鵜呑みにしがちな人は、新奇探索性が弱い可能性が高い。
人には、いつもの日常では飽き足らないで、新しいことを知りたいと思う、新しいことを知る喜びを感じる性質がある。これを新奇探索性とよぶ。
これは遺伝的に決まっていて、生まれつき強い、弱い、中間の人がいる。
新しい商品、新しい機種があると飛びつく。
運のいい人はいい加減に生きる
日本の山手線「正確(まじめ)」と、フランスの電車「いい加減」の時刻の正確性の例え。
この対照的な列車を人間の生き方に置き換えるなら、フランスの列車的生き方のほうが自分を大切にする生き方。と考える。
会社の残業など、日本では上司が残っていると自分の仕事が終わっていても帰らない。
いまだに会社の価値観(遅くまでいる人が良い)に縛られて、自分の価値観を生かしていない。
柔軟性があると、不測の事態に速やかに対応できます。考えが硬直していないので、不測の事態にどう対処するか、その発想が豊かになるのです。
まじめを否定しないが、まじめさを隠れ蓑にして、自分をないがしろにしていないか、自分の価値観を見失っていないか、世間の価値観に縛られていないか、自分が本当にやりたいことを忘れていないかなど、ときどき自問自答してみることが大事だと思っています。
運のいい人は自分の好みを大事にする。
好きな食べ物、好きな色、好きな動物、好きな異性のタイプなど、それぞれ「好み」があります。
明確な理由がない場合がほとんどですが、この説明はつかないけどたしかにある自分の「好み」は大事にしたほうがいいと考えています。
男性は女性よりも「見た目」を重視する傾向にあります。
アメリカのレイセックとガウリンの研究グループの研究論文。
最も魅力を感じた女性群は、ヒップとウエストの比が1対0.6から1対0.7の間の女性が好まれた。例えばウエストが65センチなら、ヒップがおよし92センチから108センチの間の女性。
このグループの女性の子供のIQが高かった。
これには脂肪の種類が関連している。
おかなにつく脂肪はオメガ6脂肪酸。
一方、お尻や太ももにつく脂肪は、オメガ3脂肪酸。
脳の大部分は脂肪。脳内の神経細胞は、細胞核のある細胞体、そこから伸びる樹状突起の軸索という2種類の突起からできています。
軸索のまわりを覆っているのをエミリン鞘といいます。
エミリン化は脳の成長を助ける。このエミリン鞘の原料となるのがオメガ3脂肪酸。
このオメガ3脂肪酸をたくさん持っていて、なおかつ、不健康さや老化の指標となるおなかの脂肪が少ない女性のほうが賢い子供を産む可能性が高い、それを男性が無意識のうちに見分けていた。と論文では説明している。
ちなみに女性は、記憶。つまり、その言動に矛盾がないかどうかを重視するといわれています。約束をきちんと守ったかどうかなど…..
当然、両方の研究成果には例外がつきもの。子どものIQなどは環境にもよる。
しかし私たちが無意識のうちにもっている「好み」に、まったく科学的な根拠がないかといえば、そうではありません。
まだ科学のメスが入っていないだけで、きちんと論証できる「好み」があるはずです。そしてそれは、人が生き物として生き残るために、子孫に命をつなぐために長い年月を経て身に着けた能力。
運のいい人は「おもしろそうかどうか」で決める。
やるべきかやらざるべきか、どちらかを決める時、「それが自分にとっておもしろそうかどうか?」で判断するのもおすすめ。
そのほうが健康にいいから。
正しいと思うことを義務感で渋々やるよりも、おもしろそうと思えることを嬉々としてやったほうが人は幸せ。
主観的に幸福を感じている人のほうが長生きする。
その理由の一つは、人の体内にある免疫系の物質で説明がつく。
人の体の中には、その人の心の調子によって変わってくる免疫系の物質がありますが、主観的に幸福をかんじている人は、その物質のバランスがよくなるのです。逆に主観的に幸福を感じていない人は、バランスが悪くなり病気になります。
ナチュラルキラー細胞など。高ければよいのではなく、「ほどよい活性」が人の体には良い。
インターロイキン6。炎症や痛みが和らぐ。
「病は気から」、心の持ち方、心の持ちようが体の健康に与える影響は、あらゆる実験や研究から明らか。
健康には、しあわせと感じる状態を少しでも長く維持できたほうがいいのです。それのためには、日々の選択の判断基準を「おもしろさ」に合わせるのもひとつの有効な方法。
「おもしろい」「おもしろそう」→ドーパミン(やる気)→うまくいく。→もっとやりたい、もっとやってみよう。
正しいかどうかでやるか、面白そうかどうかでやるか、どっちの結果がよいのか明白。
子どもの笑顔300回
大人17回
70歳以上2回
運のいい人は「○○ちゃん、大好き!」と自分に言う
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